短歌解説文を書く

 
短歌の鑑賞の授業。話し合った後の感想を書くとき、ちょっと工夫してみました。
教科書は短歌の後にその解説文が出ています。
それを真似て、自分が解説者になったつもりでその短歌の解説文を書いてみる
という学習を試みてみました。

 


石がけに子ども七人こしかけてふぐをつりをり夕焼け小焼け
                     北原白秋
 

 楽しそうに子どもたちが、もう何年もそこにある古い石がけにこしかけています。その子ども達は、むちゅうになって、ふぐをつっていると、いつのまにか、もう夕やけ小焼けになっていました。子ども達は、まだむ中です。
 作者は、そのむこうにこしかけて、その子たちを見て、あまりたのしそうなので、心を動かされて、見ています。
 この文章を読んでいますと、私達にも楽しそうな感じが伝わってきます。(寛子)
 
 もう古くなった石がけに七人の子どもたちが楽しそうにしゃべりながら、ふぐをつっています。夕焼けを背にしながら、夢中になっている子供たちは、まるで昔の自分のようにむじゃきです。その子供達は、夕焼けに照らされながら、ぽかぽかと気持ちよさそうですこんななごやかな一時があったんだと作者はなつかしく思い出していることでしょう。
 作者は、きっとこの子たちのように走り回って遊んだあのころを思い出しながら、この詩を書いたのだと思います。(智子)
                     

この里にてまりつきつつ子どもらと遊ぶ春日はくれずともよし
                     良寛 

 ぽかぽかと春のさわやかな朝です。子どもたちが一人二人と外に出てきて良寛さんをさそいます。良寛もにこにことうれしそうにしています。良寛さんも子供たちもむじゃきにあそんでいます。みんなむ中になってあそぶので、日がたつのも忘れています。良寛さんがふと、夕焼けを見ると、もうしずみかけています。けれどももっと遊びたいので、「お日さまよ、もう少し子供たちと遊ばせてください」とおねがいします。けれど、こどもたちのお母さんたちが良寛さんにお礼を言いながら子供たちをつれてかえります。良寛さんは、にこにこと手を振ってあげているけど、子供たちがみんなかえると、さびしそうにたつています。
 てまりつきつつ子供等と遊ぶ春日はくれずともよし。良寛さんは、むじゃきで元気に遊ぶこどもたちがとても愛らしいので、こんな短歌を書いたと思います。 美豊子
 少しあたたかい春の晴れた日のことです。神社の近くの森で良寛さんというやさしいおぼうさんと、村の子どもたちがかくれんぼやまりつきをして遊んでいます。あまり楽しいので時間のたつのも忘れて遊んでいると、おひさまがだんだんしずんできてしまうので、良寛さんが、「お日さまよ、しずむな、しずむな。」
と言っています。  (和幸)



 
       
                         
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今日もまた、この里で、良寛さんと子ども達が遊んでいます。今日は、てまりをついて遊んでいました。遊んでいると、もちろん時間がたって、日がくれてしまいます。良寛さんは、いつまでも子どもたちとまりつきをして遊びたくて、日はくれなくてもよいと本気で思っています。(弘子)
 
 この人は、子どもがすきで、いろいろなきょうみがあってよいと思った。いつもこの
良寛さまは、てまりついて、子どものところまでいって、いろいろなあそびをおしえたって、ずっとあそんでいたら、早く日がくれるから、こどもとあそびたいで、こどもをうれしそうにしてあげるから、くらくならんでもいいよといっている。子どもとあそびたいで、くらくならんと、もうちょっとしんぼうしてくださいと(おひさまに)ゆうてる。みんなで、てまりついて、うたをうたいながら、うすぐらくなるまであそんでいると思いました。この人は親切で、易しい人たがら、みんなよろこんでいる。良寛さんは、自分の子供みたいにまいにちまいにち、こどものせわをしてよい人と思いました。(勇也)
 
 春の日に、子どもたちとまりつきで良寛は、むちゅうであそんでいる。日がくれるのをわすれてあそんだ。  (貞幸)
      
 いなかのところに良寛さんが来ています。ふと、村をみわたしてみますと、子ども達がまりつきをして遊んでいました。良寛さんは、いっしょに遊びたくなりました。けれどももうすぐ夕ぐれです。良寛さんは、遊びたいのでもう少し日が出ていてほしいと思っています。                         
 
 春の日は、西にかたむきかけようとしています。ここは、まずしいけれど、正直でやさしいむらびとたちの村です。作者である良寛さんは、子どもたちとのまりつきが楽しいので、この日がくれなければいいなと思っています。
 正直でやさしい村人や子どもたちにつつまれて平和な良寛さんの気持ちがよくわかります。(真ひと)
 
 この里で、良寛さんと子ども達がてまりをついている。もうむちゅうでついていた。ふと横を見ると、日がくれかかっている。もっと子ども達と遊びたいので、春日はくれずともよしと思っている。子ども達も良寛さんも心の中はいっしょだ。
 しかし、春日はしずんでいく。良寛さんは、夕日を見てなぐさめられている感じだ。
                                (哲郎)
                           
 

白雲のうつるところに小波の動き初めたる朝のみづうみ

                      与謝野晶子
 
 あけがた、与謝野晶子がふと湖の水面をみると、白い雲がうつっている。朝一番のやさしい風が、すきとおったつめたい湖の水面をやさしくつつむ。そのそよ風がつつんでいるところが小波になっている。そのやさしくてかわいい小波の動きを見て「ああ、湖の朝早くは、こんなやさしい動きをしているのか」と思った。(暢子)
                    
 みずうみのすきとおる水面に青い空のまるい雲がうつっています。青い空のまるい雲がうつるところにやさしい風が水面をやさしくゆらします。そんなきれいなぱっと目がさめそうな朝のけしきです。(大輔)
      
 与謝野晶子さんが、静かに朝の湖を見ています。小波が海岸にすーっと打ち寄せています。(留美)
 
 夏の朝に海辺で晶子さんが、気持ちよさそうに小波を見ています。朝の風がほほに詰めたく吹いています。だれもいない静かな中で、小さな小さな小波が白雲にそめられてうごいています。心がやすまる感じでいいなと思います。(青山亜紀子)
                      
 
 

東の野にかぎろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ

                       柿本人麻呂
 
 何か考えごとがあって、静かな東の野を考えながら歩いています。ふと、空を見ると明け方の光が見えています。考えごとなどわすれて、ぽかんとかぎろひを見ています。後の空を見ると、月がしずみかけて心が落ち着くようになって歩いていきました。(裕幸)
                              
 

春がすみとおくながるる西空に入日おおきくなりにけるかも

                     斎藤茂吉
 
  春のあたたかい日に散歩している斎藤さんがかすみがぼうっとしている中へ入っていく入り日が大きくてみとれています。(美希)