水無月祭について

 剣神社の年間行事の一つとして7月31日に水無月祭があります。
 この水無月祭には、無病息災を祈願して、男性のみが輪をくぐります。その輪作りの準備を子供たち(数年前までは男子のみで行っていたものが近年になり、子供の数が少なくなって、今では男の子も女の子もいっしょに大人の手を借りながら)が一ヶ月ほどかかり準備をするものです。

 6月20〜30日 「ち草刈りをする」

 近年では土地改良が進んで近くに「ち草」がなくなり遠くまでさがしに行くそうです。

 刈り取った「ち草」を揃えて、泥水に漬ける。約一週間ほどして漬けていた「ち草」をきれいに水洗いする。(くさったにおいになっている。)

 洗い終わった「ち草」は天日乾燥する

 水無月の輪の準備

 ・竹を20本ほど用意する
 ・竹の笹の葉は、もぎ取り、そろえておく。
 ・天日しておいた「ち草」で縄をなっておく。
 ・葉をとった竹は輪の芯に使う。

芯にする竹を割る(残った竹は盆の木に使用)

7月31日水無月の輪作り

 藤のつるの皮で輪の上部の真ん中に支え、柱をくくりつける
 割り竹で輪を作り、笹の葉を当てて「ち草」縄で巻き付けていく

「みなづきの輪、くぐらんか」

 できあがった水無月の輪を神前にそなえた後、各街道に持って回る。
「みなづきの輪、くぐらんか。」
 と声をかけながらまわり、各家から男性が入浴をし、きれいに体を清めて、輪をくぐり、家族皆の一年間の無病息災を祈る習わしとされています。

 この行事が水無月祭であり、終了後は、四つ切りにして8月13日の盆の木の芯にくくりつける。
 8月13日の「おしょらいさん」の火だねとなるもので、子供たちが麦わら・わらを各戸より集めて用意する。

水無月祭で笹の葉を取った竹を芯にして、芯竹の最上部に萩の枝を取り付け、丸くなるように剪定する。
 芯竹を立てて「水無月の輪」をくくりつける。まわりに竹を編み、中にわらを入れる。
 8月13日午前4時ごろ、「盆の木」に火をつけ、最上部の萩に火がついたところで、子供たちが手にした線香に火を取り、家々に「御生来さんの火」として灯してまわり、13日から15日までの「おしょらいさん」の火となる。
 
 「おしょらいさん」とは方言であり、正しくは「精霊」(しょうりょう)というそうです。