子どもが変わった3泊4日の自然教室
 うちの学校は、今年から、修学旅行と夏のキャンプの行事を合わせて3泊4日の自然教室として実施することになった。
 6年担任は、家庭訪問の合間に準備を進めるというハードスケジュールだったが、もう一つ心配の種があった。
大きな問題にはならないのだが、子どもたち同志の関係がまだしつくりこないところがあり、自然教室の向けての取り組みの中でも、いざこざがあり、果たして自然教室をうまく乗り切れるのか、かなり心配をしていた。
 
 行き先は、能登青年の家。着いた日の夜は、肝試し。次の日の早朝から地引き網の体験。30分以上しんどい思いで引いたのに、クラゲの大漁と雑魚数匹。むしろ、その後の砂浜での自由遊びの方がおもしろそうだった。まるで幼稚園の子どものように無心に砂遊びをしたり、海に入ってキャッキャッと笑っていた。

 その日の午後は野外炊飯。火起こしの道具を持っていって火をおこすところから。30分以上の格闘の末、2班ほどが成功。その火でごはんを炊き、バーベキュー料理を腹一杯食べる。
 一日目は騒いで寝なかった子どもたちも、二日目からはころりと眠りに付くようになる。

 3日目は、ラインオリエンテーリング。これはむずかしく、とんでもない方角へ迷い込むグループが続出。
 午後は、アーチェリー・カッター・カヌーの選択活動。カッターは海洋用で六年生には厳しいものがあったが、他は楽しかったようだ。特にカヌーが好評。

 そして、最後の日。たまたま同宿していた上海雑伎団の公演を見ることができ、思いがけないプレゼントになった。そうして自然教室から帰って数日が過ぎた。
 そして、6年の担任が両クラスとも「何かよくわからないけど、自然教室行く前と全然クラスの雰囲気が違うの。今まで女の子なんかとしゃべったことのないn君がにこにこしてしゃべってるの。」
 「行く前は、いがみあってた女の子どうしが、あれは何だったのかと思うぐらい仲良くなってる。」と。

 親の方からも、「子どもがとってもさわやかな顔で帰ってきました」「何もかも、全部楽しかった。と言っています」
 という声がたくさん寄せられた。

 旧態依然とした修学旅行から思い切って変えた自然教室は大成功だった。
 それにもまして、今、子どもたちが求めているものは何かを考えさせられる自然教室だった。