特別支援学級での版画指導

 6年生のT君の作品。

まず、コスモスの花一輪だけを写生させた。花や茎の描き方を助言しながらまずまずコスモスらしい絵が描けた。それを生かしてもう2本描かせた。

 次の時間、外に出て校舎の絵を描かせた。まず屋上の線を描き、そこを基準に水タンク、三階の窓、二階の窓と描き広げ、何とか校舎らしい絵が出来た。

 その後、前に描いたコスモスと校舎を切り張りして組み合わせコピーに取り、それを下絵として板に転写した。

 下絵ができた後、線彫り、パス塗りなどの作業はT君にとっては易しい仕事だった。

 刷り上がった作品を見て図工には自信のなかったT君は「けっこういいのができた。」と控えめに喜んでいた。この作品は市内の展覧会で講評つきの優れた作品として選ばれた。

まだ絵を描けないMちゃんへの指導



4年生M子ちゃんの作品。

Mちゃんは、技能的な発達段階は3歳児程度。頭足人すら描けない。はさみも直線的に切るのが精一杯。

まず、スクラッチを楽しませた。二つ折りの画用紙を私が意図的に紙を動かしてやりながら切り取らせ、壺の形にした。そして、好きな色のパスで自由に塗り込ませ、更にその上から黒のパスで塗りつぶさせる。

そして、ドライバーの先でいろんなひっかき模様を楽しませた。

 さつまいもがあったので、それで芋版の花を作ってやり、何色か用意した絵の具の中から好きな色を選ばせ、スタンピングを楽しんだ。

 最後は、タンポで背景を整え作品として仕上げた。