音読から「1年生を迎える会」にまで発展した

総合表現活動「3びきの子ぶた」

 障害児用の教科書に出ていた「3びきのこぶた」を国語の音読練習にと始めたら、子どもたちがけっこう喜んで読む。ただ読むだけじゃつまらないなと思い、お面も作った。1年生の音楽の教科書に「3びきの子ぶた」の歌がある、と聞いて歌も入れた。すっかり子ぶたになりきっている姿を見て、もっと雰囲気を出そうと、小屋も作った。

 そのころになると、廊下を通る1年生がめずらしそうに何度ものぞきにくる。「よし、一年生を招待して見せてやろう」ということになる。せっかく招待するんだから、おやつも用意してあげようと、ゼリーも作った。

 そして、5月半ば、「1年生を迎える会」として実施。音読から始めて、いつのまにか、総合学習になり、障害児理解をかねた発表会にまで発展したのだった。 その劇発表の様子は次の通り……


 3びきのこぶた 劇シナリオ
   

きれいな のはらに 3びきの 子ぶたさんが やってきました。

歌「子ぶたの きょうだい 3げんや のはらに おうちを たてました。わらやに 木ごやに れんがだて」

   

とんちゃん 「さあ おうちを つくろう。」

ぶうちゃん 「かんたん かんたん。」

ころちゃん 「ひとりで だいじょうぶかな。」

   

歌「わらやの こぶたは あそびずき 木ごやの こぶたは なまけもの ほいこら ぶうぶう もう できた」

 

とんちゃん 「できた、できた。わらの うちが できた。」

 

ぶうちゃん 「トントン トントン」

      「ぼくも できたよ。木のうちだ。」

 

(ころちゃんのところへのぞきにいって)

とんちゃん 「まだ できないの。」

ぶうちゃん 「おそいなあ。」

ころちゃん 「よいしょ、よいしょ。」

   

ところが おなかを すかした こわい おおかみが 山から おりてきました。

さあ たいへんです。

おおかみ 「おや、こぶたの うちだな。ようし」

 

歌「お山の おおかみ それを 見て こぶたの おうちを ふきとばせ こんやは

ごちそう はら いっぱい」

   

おおかみ 「入れて おくれ。」

とんちゃん 「いやだよ。」

おおかみ 「入れて おくれ。」

とんちゃん 「いやだよ。」

おおかみ 「それなら ふきとばすぞ。ふうっ、ふうっ。」

とんちゃん 「たすけて くれえ。」

   

おおかみ 「こんどは、木のうちだな。ようし。」

     「あそぼうよ。」

とんちゃん・ぶうちゃん 「いやだよ。」

おおかみ 「入れて おくれよ。」

とんちゃん・ぶうちゃん 「いやだよ。」

おおかみ 「それなら ふきとばすぞ。ふうっ、ふうっ。」

   

とんちゃん「たすけて くれえ。うちが とんじゃった。」

ぶうちゃん「たすけて くれえ。」

とんちゃん・ぶうちゃん 「おおかみだ、おおかみだ。」

歌「おとうと こぶたは はたらく子 れんがの おうちを つみあげた にいさん こぶたよ にげてこい」


おおかみ 「こんどは、れんがの うちだな。ようし。


      あそぼうよ。」


みんな 「いやだよ。」


おおかみ 「いれて おくれよ。」


みんな  「いやだよ。」


おおかみ 「それなら ふきとばすぞ。ふうっ、ふうっ。ふうっ、ふうっ。」


「おかしいな。ふうっ、ふうっ。ふうっ、ふうっ。いくら ふいても こわれない。」


「ふーっ ふーっ……れんがの うちには かなわない。」


 ころちゃん 「おおかみは にげちゃった。」


ぶうちゃん 「れんがの うちは つよいね。」


とんちゃん 「よかったね。」


 

みんな   「ほんとうに よかったね。


 れんがの おうちを こわす ことが できなかった おおかみは、あきらめて 山へ かえって いきました。それからは、にいさんこぶたも よく はたらき、たすけあって、なかよく くらしたと いうことです。




歌「こぶたの きょうだい 3げんや のはらに おうちを たてました。わらやに


木ごやに れんがだて。」